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建築家選び

今回お見合いした5人の建築家は、提示した予算額で設計監理を引き受けて頂けるとの事だったので、私達が一緒に家作りをして下さる人をどなたか一人選ばねばならない。

サラリーマン現役時代には、新入社員選抜面接も数多く経験してきたが、その場合こちらがプロで相手は素人なので選択はそう難しくない。しかし建築家選びは、こちらが素人で相手はプロ。素人にはプロの本当の違いが判らないので、プロを選ぶというのは難しいものだ。

妻と話し合い、消去法で選んでいった。
意欲が伝わらなかったY建築士と建材の自由度が少ないR建築士をまず外させて頂いた。

次にオープンシステムでコストパフォーマンスが高く、質の高い仕事をされていたS建築士は人柄が良く魅力的だったが、オープンシステムでは私達が横浜に住んでいるため、業者選定などに大阪での時間を多くは割けない点で不安があって断念することにした。近くに住んでいたならSさんに決めていたかもしれない。

横浜に戻って3人の建築家にはお断りの連絡をし、残る2人には決め兼ねていて時間が欲しい旨を伝えた。

実はお見合いの後横浜に戻る前に、妻から「Hさん設計の家を拝見できないか聞いてみたい」という提案があり、早速Hさんに電話して、写真集で気に入ったお宅訪問のアポイントを唐突にお願いし、Hさん同行でお宅を拝見した。そのお宅の奥様と2時間も歓談させて頂き、妻はHさんを気に入った様だった。

私はお見合い時、Hさんが住宅性能表示制度に消極的という点が気になっていた。Hさんはお宅訪問後に近くの喫茶店で「訪問したお宅の等級は今はどの程度なのか判りません。今後設計住宅性能評価を希望される方が増えていく可能性もあり、良い機会なので調べてみます」と言われていた。

家は数値では考えられない定性的な部分が多いと思うが、住宅性能表示制度を利用するかどうかは別にして、住宅性能表示制度に示されている定量的な数値は、設計する家の品質の物指しとして最低限抑えておくべき側面であろうかと理工系の私は思っていた。建築家は自分の設計した家が住宅性能表示制度のどの位置にあるかを把握しているだろうと勝手に思っていたので、Hさんの答えは意外だった。

次女の結婚式準備などで建築家選びは中断していたが、F建築士からは「カタチ」の「カ」以前の段階だとして、私達の既成概念を打破するためにと東西13m×南北15mの敷地に45°角度をつけた総二階の32坪でサイコロハウスのレイアウト案がメールされてきた。この案は四隅にできる庭に意味付けをし、1階が寝室・水廻り、2階はLDKという案であったが、私は案の面白さと積極性でFさんに気持ちが傾いていた。

結婚式が無事済み、妻や横浜に来ていた母と建築選びを話し合ったが、姉歯建築士の耐震偽装事件に対する連日の報道にも感化されたのか、妻も住宅性能表示制度への関心が急激に高まった様子。住宅性能表示制度評価員をされている事もあって積極的なアプローチを頂いたF建築士に家作りをお願いしようという結論になったのは、お見合いしてから1ヶ月後。H建築士と「ザ・ハウス」のYさんには大変ご迷惑をおかけしてしまった。妻はFさんの設計されたお宅を訪問していない事が不満材料だったので、次回大阪行きの際にはその事をFさんにお願いしてみたい。



お見合いで建築家選びをしてみようと思われる方は、事前に以下の事をするのをお勧めしたい。
①こちらの要望を箇条書きにして、お見合い前に建築家に届ける
②お見合い前にプレゼン間取図作成をお願いしておく
③過去に設計監理されたお宅を訪問できる様、お見合い前にお願いしておく
住宅性能表示制度を勉強する

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本と間取り作成ソフト

建築家とのお見合いが済み、横浜に戻ってから、たっぷりある時間を利用して、家作り過程を楽しもうと、家作り関連本を読んだり、間取り作成ソフトで間取り図を作成してみた。

この期間に読んだ本と使ったソフトの感想は以下の通り。
本質を暮らす贅沢な家。

PAC(パッシブエアーサイクル)住宅の住まい手からのメッセージを実例写真、間取りとともに紹介された本。住宅システムの宣伝本にとどまらず、よい家に住むことの意味を見つめなおすのに役立つのでお勧め。

価格の見える家づくり

価格に納得できる家がほしいという人たちのために書かれた本で、住宅価格の構造が理解できて勉強になった。オープンシステムが生まれるまでと仕組みの解説本。

「いい家」が欲しい

家作りベストセラー本。外張り断熱工法への思い入れが強く、そのために言いすぎの部分があるが、それを踏まえて読むなら、これから家作りをされる方には必読の本と思う。

外断熱」が危ない!

外張り断熱に対抗して充填断熱の家の良さをアピールしている本だが、建築家としての実践から断熱や気密に対する解説が勉強になる。これも家作りをされる方には必読の本と思う。

誰も知らなかった「ローコスト住宅」の正しい知識

住宅コストのカラクリやローコスト住宅と称するハウスメーカーのうそを暴いて、正しいローコスト住宅とはと問いかけている本で、間取りとコストの関係がよく理解出来た。


Image21新在来木造構法マニュアル


NPO新住協で発行されている本で、上記「外断熱が危ない」の著者西方さんの先生であり、「高断熱高気密」という言葉を創った室蘭工業大学の鎌田教授が監修された充填断熱工法のマニュアル。建築が専門で無い私にも家を建てる手順が判りやすく、気密・断熱面の設計でもっとも影響を受けた。充填断熱をと考える人にお勧め。

3Dマイホームデザイナー2006

このソフトは間取り図から3Dでバース図からインナーウォークまで出来るソフトで、素人の私には立体的なイメージがつかみやすかった。
建築コストを小さくする事を考えて、私がこのソフトを使って作成した総2階で2階リビングのサイコロハウス案が、福味さんからメールで頂いた45度角度をつけた案と角度を除けば近かったのも建築家選びで福味さんを選ばせて頂いた一因だった。
以後も福味さんから送られてきた間取り図は全てこのソフトに書き直して3D表示して検討するのにたいへん役立った。

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住宅性能表示制度

平成12年に住宅品質確保促進法(品確法)で、住宅供給者の新築住宅瑕疵保証を10年間にわたり行うことの義務が規定された。その枠組みの中で住宅性能表示制度は、住宅の構造的な強さや火災時の安全性、高齢者への配慮などを、住宅の性能を公的に指定された機関が評価し、それを表示できる任意制度としてスタートした。

住宅性能表示制度は、国の指定を受けた指定住宅性能評価機関が10項目について等級や数値などで評価するのだが、F建築士(今後は福味建築士又は福味さんと書く)から「どの等級を望むのかを検討してみて」とメールで言われていた。
茶色部分が検討結果。


構造の安定・・地震や台風などに対する強度地震、暴風、積雪(多雪区域のみ)について「損傷防止」と「倒壊等防止」の2つの観点から評価するもので、地震については阪神大震災や姉歯事件で関心の高まった項目かと思う。
・損傷防止
 数十年に一回は起こりうる(すなわち、一般的な耐用年数の住宅では1度は遭遇する
 可能性が高い)大きさの力に対しては、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著し
 い損傷が生じないこと。

 耐震では概ね震度5強相当で損傷しない事を建築基準法で定められているが、
 それを等級1としている。

・倒壊等防止
 数百年に一回は起こりうる(すなわち、一般的な耐用年数の住宅では遭遇する
 可能性は低い)大きさの力に対しては、損傷は受けても、人命が損なわれるような
 壊れ方をしないこと。

 耐震については震度6強から7程度、関東大震災時の東京、阪神淡路大震災時の
 神戸で観測された地震の揺れ相当で倒壊しない事を建築基準法で定められている
 が、それを等級1としている。

姉歯事件は建築基準法すら守られていなかった訳だが、私は建築基準法準拠の等級1が守られている事を住宅性能評価機関で客観的にチェック頂ければそれで十分だと考えた。


火災時の安全・・火災の感知や燃えにくさ
住宅の中で火事が起きたときに、安全に避難できるための、燃え広がりにくさや避難のしやすさ、隣の住宅が火事のときの延焼のしにくさなどを評価する。

今度の家は住まい手が年寄りだけなので、オール電化住宅にして火災発生の可能性を減らして、火災警報器を設置してもらえば良く、等級1で良いと判断した。


劣化の軽減・・防湿、防腐、防蟻処理といった建物の劣化対策
年月が経っても土台や柱があまり傷まないようにするための対策がどの程度されているかを評価する。構造躯体が2世代(50~60年)もつ対策がされているのを等級2とする。

私の歳からそこまでの配慮は不要と考え、等級1で良いと判断した。


維持管理への配慮・・給排水管やガス管の清掃・点検・補修など維持管理のしやすさ
水道管やガス管、排水管といった配管類は一般に構造躯体の修繕などを実施するよりも早く取り替える必要があり、配管の点検や清掃のしやすさ、万一故障した場合の補修のしやすさなどを評価する。
躯体を傷めないで点検及び補修を行うための対策や躯体も仕上げ材も傷めないで点検、清掃を行うための対策が講じられているのを等級1とする。

配管が基礎コンクリートに埋まっていても良いと考え、等級1で良いと判断した。


温熱環境・・住宅の省工ネルギー効果
暖房や冷房を効率的に行うために、壁や窓の断熱などがどの程度されているかを評価する。
等級が高いほど省エネルギー性に優れていることを意味し、
等級2は住宅金融公庫の旧省エネルギー基準と同等。
等級3は住宅金融公庫の新省エネルギー基準と同等。
等級4は住宅金融公庫の次世代省エネルギー基準と同等。

北海道で高気密・高断熱住宅での快適さや省エネを体験したため、この項目にはこだわりがあった。大阪で次世代省エネルギー基準で福味さんにより設計された先述の
SwannHauseの様に、次世代省エネルギー基準である等級4を希望したい。


空気環境・・科学物質に対する配慮や換気対策など
空気中のホルムアルデヒドの放散量で決まる。
等級2:0.020mg/m2・h以下(F☆☆☆)
等級3:0.005mg/m2・h以下(F☆☆☆☆)
また、住宅の中で健康に暮らすためには適切な換気が必要なので、どのような換気設備が整えられているかについても評価する。

シックハウス問題は、化学物質と健康との影響に関しての疫学的な因果関係が必ずしも明らかではないけれども、平成15年にシックハウス法施行で自動的にホルムアルデヒドの発散量が極めて少ない等級3となると判断した。


光・視環境・・室肉の明るさを左右する開ロ部の比率
東西南北及び上方の5方向について、窓がどのくらいの大きさで設けられているのかを開口率(%)で評価する。

これは建築士さんにお任せとする。


音環境・・屋外の騒音に対する遮音性
主に共同住宅の場合の評価項目で、隣の住戸への音などについて、その伝わりにくさを評価します

これは建築士さんにお任せとする。


高齢者などへの配慮・・段差や手ずりなどバリアフリーの度合い
高齢者や障害者が暮らしやすいよう、出入り口の段差をなくしたり、階段の勾配を緩くしたりというような配慮がどの程度されているかを評価する。
等級3は、部屋の配置・段差の解消・階段の安全性・手すりの設置・通路出入り口の幅員・寝室便所浴室の寸法 の基本的な措置が行われているもの
等級2は、部屋の配置・段差の解消・階段の安全性・手すりの設置 の基本的な措置が行われているもので寝室・便所・浴室には既定がない

86歳の母と住む家なので寝室・便所・浴室にも配慮が必要と考え等級3を希望したい。


防犯に関すること・・開口部の進入防止対策
外部開口部(ドアや窓など)について、防犯上有効な建物部品や雨戸等が設置されているかの侵入防止対策を評価する。

これは建築士さんにお任せとする。


なるほど住宅性能表示制度の各項目を検討することで自分が住みたい(作りたい)家の輪郭がはっきりしてくる。どの項目を重視するかは各個人によって異なるが、高い等級を実現する為にはそれなりの費用が必要となる。私としては温熱環境・高齢者などへの配慮が重要で他の項目は福味建築士にお任せで良いと判断した。


ps.横浜に在住して大阪の福味さんと枚方の家作りは、メールのやり取りと毎月1回以上の大阪での打合せで進める事とした。

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建築設計依頼書

その後福味さんから「45度角度サイコロハウス案」のバース図や、先述のT女性建築士(以下竹原さんと書く)が作成された「5間×3間2階リビング総2階案」がメールされてきていた。「45度角度サイコロハウス案」は老齢の母には常識外と不評で敬遠させて頂く事にした。

福味さんからは「カタチ」の「カ」の入口だとメール頂いたが、竹原さん作成の5間×3間の「2階リビング総2階案」は私達3人が住むのに丁度良い広さで、これを元に検討していけば良いと思った。

福味さんに正式に設計をメールでお願いしたが、こちらの要望をあって欲しくない事あって欲しい事にまとめ直して明示し、希望する住宅性能表示等級を加えた建築設計依頼書を添付した。


建築設計依頼書
[依頼者]   **** 横浜市******** ℡**********
[建設予定地] 枚方市**********
 58坪強(東西13m 南北15m)  現状は築35年約30坪の古家あり、別途解体必要 第一種低層住居専用地域 建蔽率40% 容積率80% 第一種高度地区
[建設予算]  *****万円(設計監査料、消費税別)
[家族構成]  本人、妻、母
[家族趣味・特技] 
 本人:パソコンソフト、インターネット、サイクリング、温泉巡り、菜園
 妻:生花、読書、料理、ガーデニング、サイクリング、温泉巡り
 母:書道、読書、庭いじり
[必要な部屋] 主寝室、母の部屋、LDK、浴室、洗面室、トイレ、クローゼット、押入、仏間、納戸
[駐車場など] カローラクラス1台、自転車3台
[希望事項]
① あって欲しくないこと
 1. 暗く、じめじめしていて、カビくさい
 2. 冬、トイレや風呂場が寒い(冷ショックで祖母が風呂で亡くなった)
 3. 夏、風通しが悪く、2階が特に暑い(西風の採り入れ・西日対策、屋根の遮熱) 
 4. 冷暖房費がかかる
 5. 壁内結露で構造体が腐る
 6. 家の中で火を使う(ガスや灯油の使用で空気汚染、火災)
 7. 家の中でつまずく
 8. 急勾配で踊り場のない階段は転げ落ちる怖さがある
 9. 隣家から室内が丸見え
 10. 料理中居間の家族が見えない(妻の思い)
 11. 化学物質で目がチカチカする
 12. 戸外への音漏れが大きい
 13. 仮住まい期間が長い(母の希望)
② あって欲しいこと
 1. 中古物件として売る時売りやすい(将来関東に移住の可能性あり)
 2. すっきりした外観
 3. ロフトまたは小屋裏収納のある家(妻一番の希望)
 4. 開放感があり、ベンチと物入れがある玄関
 5. 天井の高いリビングで南面にバルコニーがあり広く感じる
 6. 無垢の木の香りを感じられ、安眠できる寝室
 7. 娘達家族を泊めてやれる場所
 8. 収納スペースが多い(母の希望)
 9. 戸外が眺められ温泉気分が味わえる風呂
 10. 新聞や郵便を家の中で受け取れる
 11. 冬の陽だまりと素足で過せる床(母の希望)
 12. 小型犬を飼える場所
 13. 室内戸はできるだけ引き戸
 14. 家庭菜園・ガーデニングスペースがある
 15. 母の部屋にミニキッチンを(母の希望)
③ 住宅性能
 温熱環境等級4、空気環境等級3、高齢者等級3、その他1以上
④ 設備
 1. IHヒーター、深夜電力利用給湯機(価格差が小さければエコキュート)・蓄熱暖房機
 2. ルーバー雨戸orシャッター
 3. 遮熱複層ガラス窓
 4. トップライト(または北面上部明り取り窓)


ここまででメールのやりとりは25通。

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